第1章 海行こうぜ![1]
やがてサーフィン体験の予定時間が過ぎ、一同メイク直しなどを済ませ、昼食の時間である。
『さて、本日のお昼はこちらのすっごくおしゃれな海の家で頂きたいと思いまーす!』
じゃーん、とが両手で指示したのは、地中海のリゾートを思わせる白亜の建物。
一見しただけでは、およそ海の家とは思うまい。
『こんな高級レストランみたいなとこに水着で入って良いのか…?』
『いいんだってさ。海の家だから』
『大和は案外気にしぃなんだね!』
『先輩方が気にしなさすぎなんじゃないんですかー?』
『まぁまぁまぁ、ガッツリ海の家って書いてあるからだいじょーぶっ!』
三月が筆記体で書かれている看板を指さす。
何ともおしゃれに「UMI NO IE」書かれていた。
『ではでは、いざ!と入りたいのは山々なんですが…こちら、まだ撮影許可取ってませーん!』
なんだって?!!
との一言に全員がを見る。
『てなわけで、どなたかに交渉してきていただきたいんですが…誰行きたいです?』
『行きたい奴なんかいるわけねーじゃん!』
『とか言いながら本当は許可取っているんでしょう?ねぇ?スタッフさん?』
巳波がちろりとスタッフを見るが、スタッフ揃って首を横に振る。
『ガチかよ…』
『じゃあ、これも人生経験。高校生4人組、行ってらっしゃい』
『はぁ?!』
『ヤマさんずりぃ!!』
『そこは大人が見本を見せるべきでしょう?各グループ最年長の皆さんで行ってください』
『一織ナイス!それだ!!』
『?!それ俺も行くことになるよ?!』
『、お前こっそり俺に嫌がらせしてるだろ』
『いい度胸してるね、ちびっ子達』
やんややんやと押し付け合っている中、三月がスタッフからくじ引きの箱を渡される。
『お、スタッフさんからくじ引き貰ったぞー!何々?ここから紙ひいてー、丸が書かれた4人で行ってこい!だそうです!』
『うんむむむむむ…!!』
『、何してるの?左手握って』
『なんか宿ってんのか?』
『いや、絶対丸引かないように念込めてるの』
お子様か。
思わず突っ込みたくなったが、そんなに倣い始めた環、陸、ナギ。
お子様である。
そしていざ、くじ引きタイムである。