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君は水面に輝く光【番外編・短編集】

第1章 海行こうぜ![1]




『あはは、恐縮です。とはいえ、俺よりもインストラクターさんが来てくれているので、指導はお任せです!』

インストラクターの紹介を終え、一同指導の下、海へと入る。

『まだちょっと水冷たいぃ』
『、こっちおいで』
『はーい』

今日の波は初心者に優しそうな穏やかな波である。
龍之介はを呼び寄せ、乗り方を再レクチャー。
インストラクターに譲る気は無いらしい。

『パドリングは完璧だもんね』
『こないだみっちり教えてもらったからねっ』

すでに何度か龍之介とサーフィンは経験済みの。
あとは波に乗って板の上に立つ、テイクオフを攻略するだけである。

「龍…の隣がっちりキープしてるわね」
「インストラクターさんが、がっかりしてますね」
「取れ高大丈夫ですかね、これ」
「取れ高完璧だから大丈夫です!」

相変わらず、と龍之介のツーショットは好評らしく、世間の認める最強カップルは制作側にもウケがいい。

『うおーー!!っちすっげぇぇ!』
『できたー!乗れたー!!うわっぷ!』
『!』

今回も大量カットを掛けなければならないのかと懸念していれば、いつの間にやらはボードの上に立ち、僅かであるが波に乗っていた。
直後に海に落ちたところを、龍之介が慌てて駆け寄る。

『大丈夫?!ケガしてない?!』
『大丈夫!あははは!超楽しい!』

頭からべたべたになりながら楽しそうに笑うに、龍之介もまた声を上げて笑う。

『すっごく上手に乗れてたよ!』
『ホント?やったー!コーチの教えが良いからだねっ。ありがとう、龍くん!』
『あはは!どう致しまして。さ、ちょっと休憩しよっか』
『もう一回やりたいー』
『うーん…じゃあ、もう少し』

波打ち際でボードを片手に抱えうねうねと強請るに、龍之介はくすくす笑いながら頷く。
そんなが可愛すぎて、龍之介はの肩を抱き寄せ頭に口付ける。

『はは、しょっぱい』
『海水でベタベター』
「「ここカットで」」
「流したい…」
「カットで!!」
「お願いします!!」

最高のショットが撮れたとごねたいスタッフだが、圧の強いマネージャー2人に敢え無く撃沈。
泣く泣く今のシーンをカットすることとなった。

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