第5章 海いこうぜ![5]
「そうですね。俺たちがいけないことを伝えた直後は了解スタンプばっかりでした」
あからさまである。
あからさまではあるが、その素直さは逆に潔さと何やら可愛ささえある。
「でも、作曲チーム凄いメンツだけど、大丈夫だと思う?」
「モモさんもそう思いました?私もそこを心配していて…岡崎さんも宇都木さんも紡ちゃんもOK出してるから大丈夫かとは思うんですけど…」
うーん、と腕を組み唸り出すと百。
これも仕事と、みな割り切れはするだろうが、己のポリシーと言うものがある。
それをどう折り合わせ擦り合わせられるかが問題だ。
「天を…天をダンスチームに連れ去りたい…!」
「ダンスは振り付けだけじゃなくてフォーメーションもあるからもっと人数いても良いと思うんだけどにゃー」
「均等に割り振ったらこうなった、みたいな感じの振り分けでしたもんね。でも歌詞も振り付けも曲ありきだから、作曲チームが崩壊したら企画ごと倒れますよね」
の言葉に百は深く頷き、ちょっとプロデューサーと相談してくる!と駆け出す。
のを、が止める。
「モモさん、ご飯は食べましょう!」
「あ、そうだね。ありがとう、ちゃん」
「私たちは身体が資本ですからね」
にこりと微笑むの頭をポンポンと撫で、モモはゆっくりとその場を去って行った。
「みんな同じ意見か」
「そりゃあ作曲組、今は平然としてますけど、壮五さんはすでに目が回り始めて激辛爆盛りしてるし、千さんも意識が作曲に向かってるのか、食べないのにお肉取ってるし、棗さんは…あの盛り具合は熱に普段通りらしいけど既に笑顔が怖い」
「あいつあんな食えるのか?」
「ご飯を食べるのが好きらしくてこういうとこ来ると全部試してみたくなるんだって。こないだインタビューで言ってた」
そこまで観察し、はため息をついた後、天を見あげる。
「ん?」
「天も一緒が良かった」
「僕もと一緒が良かった。でも作曲の勉強になるかもしれないしね」
でも一緒が良いって言ってくれてありがとう。
そう言って微笑みながら天はの頭を撫でる。
途端に嬉しそうに帰って来るその笑顔が可愛くてたまらない。
「俺らも早いとこ飯食おうぜ」
「またが倒れちゃう前にね」
「倒れてないもんー」