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君は水面に輝く光【番外編・短編集】

第4章 海行こうぜ![4]※




「束縛してるわけでもないし、お互いに大事にしあってるだけなんだけど…」

そう言っても、龍之介が傍に居ないと落ち着かない、そんなはやはり依存しているのかもしれない。
その自覚はないとは言えない。

「俺は…束縛してるかも」

常にを腕の中で守りたい。
誰にも見せたくない、触れさせたくない。
そう願ってしまう龍之介も、確かに束縛しているのかもしれない。

「でも、それの何がいけないの?って…思っちゃう」
「うん、どちらかが辛かったり嫌な思いをしているなら良くないけど…俺は嫌じゃないし辛くもない。が俺を求めてくれれば求めてくれるほど、幸せって思うよ」
「うん、私も。龍くんが私を見て、傍に居てって願う程、私は幸せ。思われれば思われるだけ、嬉しい」

傍から見ればそれは狂気に近いものを感じるのかもしれない。
けれど、誰が何と言おうと、2人はそれで幸せだ。

「もう、どっか小さな島買って2人でこもりたいって時々思う」
「あはは!それは大変かもしれないけど、でも誰にも邪魔されずに、2人だけでずっと過ごしたいとは俺も思うよ」

そしてそれが苦痛に思わない。
息苦しくもない。ただただ、それが只管に幸福。
そして、それを2人とも同時に思っていることが分かってしまう。
視線が交わるだけで気持ちが通じ合う。
それの何がいけない事なのか。

「龍くん」
「うん?」
「愛してる」
「俺も愛してる」

何度伝えても足りない愛してるを、何度も何度も伝えあう。
それだけで満ち足りるものがあるのを知っている。

「お風呂入ろっか」
「そうだね。行こう」
「お風呂可愛いんだよー。猫足っ!」
「さっきが感動してるの聞こえたよ」
「きいちゃった?」
「聞いちゃった」

頷く龍之介に照れ臭そうに笑い、は龍之介の腕にうりうりと擦り寄る。
そんなを抱き締め、龍之介はそっとの顎を掬って口付けた。

「ん…龍くん…」
「、抱いていい?」
「お風呂入ったら?」
「お風呂でも」
「へへ、嬉しい。明日早いけど…良いよね?ちょっとくらい」

微笑みながら背伸びをし、そっと口付けるの頬を撫で唇をちろりと舐めれば、そっと開いたその唇に舌を割り込ませる。
舌が絡めば、口付けはより深いものとなった。

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