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君は水面に輝く光【番外編・短編集】

第4章 海行こうぜ![4]※




「はい、部屋着いたよー。歯磨きするよー」
「んー…」

自室へと戻り、洗面所に直行するに手を引かれ、龍之介もまたよちよちと後に続く。

「はい、歯ブラシ。お風呂入る?」
「となら入る」
「かんわいいなこんにゃろ。じゃあお湯張るから歯磨いててね」
「ん…ふぁ…」

歯ブラシを咥えつつ欠伸をする龍之介に微笑み、は隣の浴室の扉を開ける。

「おー、海が見える…っぽい」

大きな窓が嵌められたその浴室からは、真下に先程のプールが見え、その奥には時折月明かりできらきらと輝く海面が見える。
既に日が暮れてしまいはっきりとは見えないが、明るくなればさぞや絶景だろうと1人頷く。

「流石リゾートホテルだねぇ、猫足風呂。かんわいーねこねこにゃーん」

そんなの独り言が聞こえた龍之介は、歯を磨きながら小さく笑う。
1人にしておいてもこんなに可愛いのは反則なのでは、という気すらしてくる。

「」
「はーい」
「お祭りどうだった?」
「楽しかったー!天と一緒に回ってね?ずっと手繋いでくれたの!」

なんだって?
最後の一言に、龍之介は口を漱ぎ口元を拭いていた手を止める。

「手繋いだの?」
「うん。…あれ?怒った…?」
「怒ってない」
「絶対怒ってる…」

しょんぼりと俯くに首を横に振り、そっと抱きしめる。

「はぁ…怒ってないけど、妬いてる」
「天だよぉ…」
「そう、天だよ。でも妬いてる」
「龍くん…」
「お酒入ってるから余計にかも。ごめん」
「ううん、良いの。私もごめん」

呟きながらそっと背中に回る細い腕すら可愛くて、龍之介はの肩口に顔を埋める。
首筋からは、甘い香り。
これを他の男が嗅いだと思うだけで気が狂いそうになる。

「…少し離れてただけなのに、寂しかった」
「龍くん…私も。会いたかったよ」
「うん、俺も」
「どうして、離れられないんだろうね」

殆ど一緒に暮らし、その殆どの時間を共に過ごしている。
TRIGGERが業界に復活してからは確かに一緒にいる時間は減ったが、それでも同じ仕事も増えて一緒にいる時間はある。
それでも二人は飽きもせずに共にいることを強く願う。

「そういえば前、一織に言われた。貴方達は互いに依存しすぎですよって」
「依存…」

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