第3章 海行こうぜ![3]
「お疲れ様でした!」
「終わったー!お疲れ様、天!天と一緒で楽しかったー!」
にぱりと微笑むの頭を撫で微笑んでから、天は小さく息をついた。
「天?」
「もう少しだけ、独り占めしたかったな」
「じゃあ…ホールまで手繋いで帰ろ?」
「どれだけ可愛いの、君は」
くすくす笑いながらに手を差し出し、繋ぐ。
「楽しかったなぁ」
「うん、そうだね。屋台なんて中々行けないから」
「確かに。お祭りとかは中々ねぇ」
そんな会話を交わしながらホールへと入れば、先程とは匂いが違う。
明らかに酒臭い。
「どれだけ飲んだの…」
「酒くさっ!!」
「大人の癖に飲む量も加減できないんですか?」
未成年組、ドン引きである。
「~」
「龍くん!…泥酔…」
「会いたかった…すごく会いたかったよ~」
ふらふらとに近づき、抱き締めてくる龍之介にくすくす笑いながらはそっと背中をさする。
「気持ち悪くない?」
「うん。いいにおい…食べたい…」
「屋台のソースかなー?」
「ううん、甘くて…はちみつみたい…」
「びゃーーー?!!」
突然首筋を軽く噛まれ、は思わず色気のない声で叫んでしまう。
途端、姉鷺と天がダッシュで駆け寄り龍之介の両腕をがっちりホールド。
「龍!落ち着きなさい!誰か水持ってきてー!」
「頭からぶっかけましょう、姉鷺さん」
「~…」
「姉鷺さん、天、あの、私なら大丈夫なんで」
「大丈夫じゃないわよ!あんたここで襲われたい?!」
「それはちょっと困っちゃうなぁ」
ちょっとなんだ。
心中突っ込む皆さんだが、は龍之介をホールドする姉鷺と天の腕を離させ、龍之介に寄り添う。
「龍くん」
「ん?」
「ふふ、可愛い。着替えしといでー?」
「うん…も」
そんな!ねだる!顔!しないで?!
悶絶一歩手前のが顔を覆っていれば、姉鷺に軽く頭をぽふぽふと叩かれる。
「甘やかすんじゃないわよ、」
「あの子犬をほっとけと?!」
「ほっといて大丈夫だから。ほら龍、の代わりに僕が行くから。楽も」
「おう」
ふらつきもなく、返答もいたって平常な楽には首を傾げる。