第3章 海行こうぜ![3]
『え!マジ?!いいの?』
『最高の景品はもういるから』
そう言っての手を取り、繋いだ手を皆に見せつけるように上げる。
『…俺もそっちの景品の方が良い』
『僕より大きい景品落とせたら、考えてあげる。それまではあげないよ』
『???…え?!景品って私?!』
『まぁ、大事な妹をモノ扱いするのはいやだけど…そうだな、景品というよりご褒美?』
そう言ってにこりと微笑まれてしまっては何も言えない。
は天のその心からの笑顔が大好きだ。
『もー、そんな可愛い笑顔でこっち見ないでー。何でも許しちゃう』
『じゃあ、ワガママ言っちゃおうかな?龍のとこ戻るまで…』
それまでは、独り占めさせて
天の、ほんの小さな独占欲である。
『天は優しいから、独り占めしきれるかな?』
『優しくないよ。君にだけ』
『照れちゃう』
『そんなも可愛い。さ、デザート何が良い?』
『クレープとりんご飴!』
『そんなに食べられないでしょ?どっちか』
『むん』
『可愛く膨れてもダメだよ』
『むむん』
『…クレープ半分こで、りんご飴はお土産ね』
天、の拗ね顔が大ヒットし、甘やかしが発動してしまった模様。
途端ににぱりと微笑むにくすくす笑いながら、クレープの屋台へと向かった。
一方、バーでの撮影組。
「に会いたい…」
「離れてまだ10分も経ってねぇよ」
カウンターチェアに腰掛けしょんぼり呟く龍之介。
時計を見れば確かに10分も経っていない。
『龍之介くん、もうすぐちゃんと新しいCM撮るんだって?』
『はい。新商品のお茶のCMです』
『龍なのにそんな爽やかそうなCM出ちゃうの?!』
『今回はのイメージに合わせてなんで…ユキさんも今度のドラマが相手役ですよね』
龍之介の問いに千はこくりと頷く。
『そうね。でもあくまで相棒で恋愛関係には発展しないから安心していいよ』
『ユキは恋愛ドラマやんないもんね』
『勝手に惚れて勝手に告って勝手にフラれて共演NGはもうこりごりだからね』
「もうその話ししないでって言ってるのにっ!」
「私こっち来て正解だわ…」
大人が集まって酒盛り。
ヤバいワードが次々に出てくるに違いない。