第3章 海行こうぜ![3]
「自信満々ですね」
「マネージャーですから」
くすくす笑いながら、ヨーヨー釣りにはしゃぐを見る。
『ピンクの取りたいー』
『うん?あ、じゃあこの辺狙ってみて』
『ここ?これ?』
『そう、そーっとね』
『…あっ!取れたっ』
『上手にできました』
水風船を掬い上げ、嬉しそうにはしゃぐの頭を天もまたにこやかに撫でる。
『でもがピンク欲しがるなんて珍しい』
『そーお?』
の私物は大概白や黒、時折龍之介のメンバーカラーが多く、どちらかと言えば鮮やかな色のものを欲しがることは無い。
そんなを知っているからこそ、今回の色のチョイスに天は問いかけたのだろう。
『だって、天の色だし』
『…なるほど。ホントに君は可愛いね』
『ふふ、天の方が可愛いよ』
くすくす笑い合いながら2人は立ち上がり再度手を繋ぐ。
『次は天の行きたいとこ行こ?』
『あそこで盛り上がってる射的見に行ってみようか』
環と陸が盛り上がっている声が、ヨーヨーすくいをしている時から耳に入っていた。
天も陸の所に行きたいのだな、とも頷き、騒ぎに皆が集まりつつある射的の舞台へ。
『環、陸、盛り上がってるねー』
『お、てんてん、っち!中々当たんねぇんだってー』
『でも環上手いんだよ!何回か当たってるし!』
『ふうん、僕もやってみようかな。、チケットお願いしていい?』
天の言葉にはーい、と頷き、屋台の店主にチケットを渡す。
銃とコルク玉を渡され、天がそれを構えた瞬間、陸とは天の後ろに立ち絶賛応援体制である。
『天~!頑張れー!』
『頑張ってー!』
『ちょっと、集中させて』
『『はぁい』』
ぴしりと言われてしまい、しょんぼり顔で見守ると陸。
それでもワクワクとした面持ちで天を見ていれば、天の銃口は景品を的確にとらえ、トリガーを引いてその景品を見事棚から落とした。
『マジ?!俺もそれ狙ってたのに!』
『君が大分後ろに下げてくれてたから、後は重心を見定めて打ち込んだだけ』
『かっっっこいー!天~!かっこよかったー!』
『どうも。』
『ん?』
『デザート食べに行こっか』
『うん!行くー!』
『その前に。四葉環』
『あん?』
『その景品あげる』