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君は水面に輝く光【番外編・短編集】

第2章 海行こうぜ![2]※




「はい、酒類は一切入っておりませんので、楽しんでいただけますよ」
「じゃあ…あ、これ名前可愛い。シンデレラ!」
「オレンジジュース、パイナップルジュース、レモンシロップを使ったフルーティーなノンアルコールカクテルとなっております」
「美味しそう。それお願いします」
「俺はビールをグラスで」
「畏まりました」

ドリンクが提供されるまで、と龍之介はカウンターに身を預けながら向かい合う。

「この後は離れちゃうのかぁ」
「寂しい?」
「凄く寂しい。龍くん居ないのやだぁ」
「はは、寂しがるを置いていくのは忍びないけど…可愛い」
「えへへ…。こっちの撮影は9時半には終わるけど、龍くんの方は?」
「同じくらいだと思うよ。の部屋行っていい?」
「勿論。私が龍くんの部屋…あ、でも荷物も私の部屋置いちゃったんだっけ?」
「うん。のとこ行くつもりしかなかった」
「もー…好き」
「俺も好き」

にこりと微笑み合ったところで、注文した飲み物がそっと置かれ差し出された。

「シンデレラとグラスビールになります」
「「ありがとうございます」」

声を揃えて受け取った2人は、そのままグラスを合わせる。

「可愛いに」
「世界で一番素敵な龍くんに」
「「乾杯」」

一口飲み、龍之介の差し出す腕に自らの腕を絡め2人は席へと戻る。

「龍之介」
「ん?何、虎於くん」
「はこっちだ」
「あ、ごめん。連れていこうとしちゃった」
「連れ去ってくれても良いんだよ?シンデレラみたいに逃げ出したりしないから」
「今すぐ連れ去りたい。でも後でガラスの靴持っていくから、いい子で待ってて?」
「ん、じゃあ…早く迎えに来てね?」

微笑み頷く龍之介の腕に一度擦り寄り、は名残惜しそうに指先を龍之介に最後まで触れさせたまま席につく。
そんなの頭にそっと口付け、龍之介もまた自らの席へと戻っていった。

「おい」
「ちょっと」
「はい?…ふふ、えへへ、うへへへ」

虎於と巳波がいちゃついていたに声をかける。
が、両頬を掌で押さえ、にやけが止まらないは、ふにゃふにゃと笑うばかりである。

「なんかが可愛いけど気持ちわりぃ!四葉!和泉!!」

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