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君は水面に輝く光【番外編・短編集】

第2章 海行こうぜ![2]※




龍之介が万理からバスローブを手渡され、に着せてそっと背中をさする。

「大丈夫?」
「うん。もこもこだからあったかい」
「良かった」
「龍、あんたも着なさい。あんたが風邪ひくとが大変なんだから」
「ですね。ありがとうございます、姉鷺さん」

軽い風邪であろうと龍之介が風邪を引けば、感染しないようは引き離される。
その間ののコンディションは最悪。
挙句の果てにまで体調を崩すという最悪の悪循環を引き起こす可能性がある故に、龍之介もまた仕事への影響以上に健康面で気を付けねばならないのだ。

「私が大変なんですか?看病ならいくらでも…」
「看病させられないって引き離したら、あんたその夜高熱出してぶっ倒れたじゃない」
「う…あ、あれは多分同じタイミングで風邪ひいて…」
「絶対違うと思う」
「龍が治ったらもけろっと治ったじゃない」
「だから同じ風邪だからだよぅ!」

それでもどれだけ高熱があろうと現場には出て何ともないような顔で撮影はこなしたのだから、女優魂と言うものは恐ろしい。
仕事だけはきちんとやるから責めきれないが、龍之介から少し離れただけでヘタってしまう依存ぶりは何とかできないものかと、2人を知る周りの人間は日々頭を悩ませているのであった。

「映像チェックしたけど、尺も良い感じだし、そろそろ着替える?」
「あ、はーい!シャワーって部屋ですか?あ、ホテルだからこの格好でうろついちゃダメか」
「そっか。更衣室のシャワーだね」
「ざーんねん。ではササッと浴びてササッと着替えて来ます!」

更衣室へ向かうをプロデューサーやスタッフは何が残念なのか、と小首を傾げ見送るが、と龍之介の密接な関係を知っている者たちは苦笑を浮かべる。

「アイツら、マジで隙あらばイチャついてるな」
「滝の裏で出来なかったことをシャワーで致すつもりだったんでしょうかね?」
「何の話?」
「ハルは知らなくていい」

悠の耳を両手でふさぎ、トウマは巳波と虎於に子供の前!と厳重注意。

「さんは亥清さんのクラスメイトですけど?」
「情緒がまだ育ってねぇの!ハルは!」
「が育ちすぎなんじゃねぇのか?」
「十さんが相手ですからねぇ…」

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