第2章 海行こうぜ![2]※
『離さないで?ずっと捕まえててほしい』
『…』
「あ、ここからカットで」
「ええ…?」
「カットで!!」
「はい…」
抱き合ったまま見つめ合う2人の次の行動を見切った両マネージャーから圧強めのカットがかかる。
『んーっ』
『ん…はは、可愛い』
『もっと言って?』
『可愛い。は世界一可愛い』
『へへ、龍くんもかっこいい。何よりも誰よりも、カッコイイ』
「りゅ~う~…!!」
「~…!」
「「いちゃつかない!!」」
『『?!』』
姉鷺と万理の声に龍之介とは、あ、と顔を見合わせて苦笑する。
「撮影中だったね」
「残念。雰囲気に呑まれて許してくれると思ったのに」
くすくす笑いながらは龍之介の頬に口付け、一旦下ろして欲しいと微笑む。
「撮影再開していいー?」
「はーい、大丈夫です!」
「じゃ、スタート!」
「…なんでキスしたことに言及がないんだ?」
「2人で撮影するとそれがデフォルトだからじゃない?」
それもまたどうなのかとは思うが、現在スタッフは夕食の撮影の準備もしているのでこちらの人数は最低限。
更にはが建前的にいちゃつけと言われたから仕事をしているだけだという顔をしているが為に、誰も何も言えないのかもしれない。
『おー、滝の裏洞窟になってる!』
『みんなできたら楽しいね、これ』
「2人ともー!滝の裏カメラ入れないから出てきてー!」
「はい!…カメラ来てないのか。」
「ん?ん…っあ…」
プロデューサーの言葉に龍之介はの腰を抱き寄せ口付ける。
「龍くん…」
「あ、やばい」
「え?」
「目、蕩けちゃった」
の目元をそっとなぞり、龍之介はくすくすと笑う。
「もー、こうしたの龍くん!」
「ごめんごめん。さ、戻ろう」
「はーい。滝に打たれて煩悩退散しよっかな」
くすくす笑いながら龍之介の手を取り滝をくぐる。
「メイク崩れてないですかー?」
「大丈夫そうだよー」
「ありがとうございまーす!」
「2人とも一旦上がってー」
「はい」
「はーい。…上がったらちょっと寒いねー」
「日も落ちちゃったからね。上着ありますか?寒そうです」
「、はい。いつもの」
「わーい!もこもこバスローブ!」