第1章 海行こうぜ![1]
「それ絶対俺のセリフ…」
「早い者勝ちだよ、龍」
「なぁ、4人でいちゃつくのやめてくんね?」
「てんてんもがっくんもリュウ兄貴もずりぃ!」
「そーだそーだ!」
ずるいコールが沸き起こり、と龍之介は苦笑しながら顔を見合わせる。
「ズルいって」
「みんなにあーんして回りたいのは山々だけど、休憩時間足りないなぁ」
くすくす笑いながらかき氷にぱくつくに、一同がっかりフェイスである。
「」
「ん?」
「あーん」
「あー、ん。龍くんに食べさせてもらうと何倍も美味しい」
「あはは、が言ってくれた。可愛い」
「真似しないでよね」
「天の真似するのは、天が大好きだから」
「…それズルくない?」
の言葉に苦笑しながら、愛らしい妹分の頭をよしよしと撫でる。
「陸がやきもち妬くよ?」
「え?!や、妬かないよっ!ちょっと、良いなって思うけど…」
「素直な陸超可愛い」
「女の子に可愛いって言われるの照れる…」
「俺よく言われるよ」
「そんな惚気炸裂エピソード聞きたくねぇな、龍之介」
「ごめんね、虎於くん」
「困ったように笑ってるのに勝者の笑みですね、十さん。素敵です」
「龍くんは私のですからね?!棗さん!」
「ええ、すっごく羨ましいですけど、わかってますよ。さん」
「くそぅ…私より色っぽい…」
巳波の微笑みにぐう、と唸る。
そんなにくすくす笑いながら龍之介はの耳に顔を寄せる。
は誰より色っぽいよ。
耳元で囁かれるその声もかなりの色っぽさ。
バッと耳を抑え真っ赤になりながら龍之介を見上げる。
「?!な…も、もぅ…龍くんてば…もぅ…好き」
「俺も好き」
「いちゃつくなっての」
「そろそろお仕事モードになってよね」
「あ、もうそんな時間かぁ」
溶けてきたかき氷をくい、と飲み干し、は軽く頬をぺちぺちと叩いて立ち上がる。
「ふふ、では。頑張ります!」
一瞬ででれでれモードからお仕事モードへと切り替わったに、さすが、と頷きながら皆立ち上がる。
「あとは軽くビーチの紹介して着替えてホテル移動だね」
「だな。各グループで部屋紹介して夕飯紹介して今日は終わり!」
「よし、頑張るぞー!」