第1章 海行こうぜ![1]
ぐい、と伸びをし微笑むに続く様に、一同またスタッフの呼びかけに応えビーチへと繰り出す。
「海風が気持ちいー」
「良い波立ってきたなぁ…」
「サーファーの血が騒ぐ?」
「かなり。今度また来ようね」
「うん!楽しみにしてる」
身を寄せ合って水平線を眺めると龍之介の姿をカメラが抜く。
「うーーん、やっぱり2人の特別編欲しいなぁ…」
「これなんてどうですか?ホテルのプール…ナイト営業やってますよ」
「お、良いね!30分くらい貸切頼めるかなぁ…」
「聞いてみます。大神さん、ホテルに確認の電話するので、皆さんの事お願いします」
「了解」
電話の為に屋内へ向かう紡を見送り、万理はと龍之介を見る。
「やっぱり、思う存分いちゃつきましたね、あの2人」
「そうね。もう、ホントしょうがないんだから」
「何ならうちの御堂とさんいちゃつかせますか?」
ZOOLのマネージャー、宇都木の言葉に姉鷺は首を横に振る。
答えはNOである。
「龍が絶対許さないわよ」
「も頷かないと思いますよ」
「ですよねぇ…虎於くんとさんのツーショットもウケると思うんだけどなぁ」
「なら、うちのユキと…」
「ユキだけはダメです。せめてモモくんでお願いします」
今度はRe:valeマネージャー、岡崎の言葉に万理が食い気味に即答である。
「これは手厳しい…」
「まぁ、もユキのことばっさりフッてますけどね」
「もう口説いてたんですか?!ユキくん」
「Re:valeのユキ振ったの?!あの子…」
「十くん以上の男なんていませんって、ばっさりはっきりぼっきりフッたらしいです」
「……恐ろしい子…」
「その恐ろしい子に心底惚れられてる十くんも相当恐ろしい子ですよ…最近の子は凄いなぁ…」
そんなマネージャー陣の視線に気付いたのか、がふと振り向き首を傾げる。
万理がなんでもないよ、と言うように首を横に振れば、にこりと微笑みまた龍之介の方へと視線を向ける。
「「「うちに欲しい」」」
「ぜっっっったいにあげません」
こっそり争奪戦が始まりそうなところを、これまたバッサリとフる万理なのであった。