第1章 海行こうぜ![1]
くすくす笑いながら龍之介の隣に立てば、龍之介の腕が腰に周り、膝に乗せられた。
ザワつく店内。
スタッフも少ない一般客も、大注目である。
「一旦カット!!龍!こら!!」
「すみません!」
「も!」
「ごめんなさい!」
ったくー、と姉鷺と万理が肩を落とし、が小さく笑いながら立ち上がったところで再スタートがかかる。
『沖縄風?』
『うん、沖縄そばではないみたい』
『そうなんだ。天の洋風って何?』
『ざる蕎麦なんだけど、つゆにトマトとバジルが入ってる』
『えー!すごい、おしゃれだねっ』
全テーブルを周り、はふと気づく。
『ここ、超お洒落だけど、海の家ですよね?』
そんな問いかけに、一同こくりと頷く。
『焼きそばとか…あります?』
オーナーに振り向き小首を傾げれば、オーナーはあります、といかにも海の家なメニューを指し示す。
『あったんだぁ。おしゃれな雰囲気だから横文字メニューにしちゃった』
『海の家っぽいざる蕎麦選んだ俺の優勝だな』
『争いじゃないでしょ』
『蕎麦攻めしてるTRIGGERの優勝で良い?』
『争いじゃないって言ってるでしょ』
『あはは。あ、。ちゃんとご飯食べるんだよ?』
『んー…はぁい』
妙な間を空け頷くに、龍之介はくすくす笑いの頭を撫でる。
『』
『ん?』
『食べ終わったら、何だっけ?』
『かき氷!』
『そう。だから、ご飯食べておいで』
『はーいっ!それでは、でしたー!ご飯食べて来まーすっ』
にぱりと微笑みカメラに手を振れば、カットがかかる。
「うん、良いね!尺ぴったり!」
「やった」
「食べる時間短くなっちゃってごめんね、ちゃん」
「大丈夫です!モモさんと半分こします!」
なに?!
との言葉に全員の視線が百に向く。
「私が食べきれないかなーって言ってたらモモさんが食べきれない分は助けてくれるって言ってくださったので」
「モモはわんぱくだからお肉も食べないとね」
「そういう事!羨ましい?」
すっごく羨ましい!と皆がこくりと頷く。
が、スケジュールもあるので皆次に向けて食事を進める。
「おいしー!龍くん、今度これ作ろ?」
「ん?いいね、レシピ探しておこっか」
「うん!」