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【BL】彩るはblue【Dom/Sub・R18】

第3章 再会。


4)

蒼斗…あおと……あお……


「っ……あ…っ」


脳内にいつかの記憶がよみがえる。

『あお』こと高山蒼斗(たかやまあおと)。

あおは、俺が小学校高学年の頃よく遊んでいた公園で知り合ったんだっけ。

転んで血がにじんでいたひざ小僧に、たまたま母親が俺に持たせてくれていた絆創膏をはってあげて。
それがきっかけで懐いちゃって、公園で会うたび『朔ちゃん朔ちゃん』と何かと俺の後ろをついて回っていたんだよな。

あの頃あおはまだ4歳くらいだったか…
中学生になってからその公園に行くことが少なくなって、疎遠になっちゃったけど。


「あ、あの『あお』か!?ふふっ、懐かしいな…あんなにちっちゃかったのに、ずいぶんと大きくなって…」

「はあ?そりゃ大きくなるよ、俺高3だし…てか朔ちゃんは歳取ったね」

「な、まだ25だっての」

「……吉野先生……?」


懐かしい顔につい羽目をはずしかけて(断じてはずしてはいない)、クラス担任に注意されるし他の生徒たちもクスクス笑っているし。


「あ、すみません。えっと、○△先生が復帰されるまで数学とこのクラスの副担任も兼任するので、改めてよろしくお願いします」


ぺこりと頭を下げて教壇から離れた。

あおを見やればニヤニヤと微笑(わら)っていて、その口が『ばーか』と動く。

ったく、誰のせいだよ。
小生意気になりやがって…

まあでも入院中の先生が帰ってくるまでだ。
予定では一ヶ月くらいって言ってたし、波風立てずにやり過ごさなきゃ。

そう思って俺はあおから目を逸らす。


予定外に始まった臨時教員の仕事。

平穏無事に日々を過ごすはずだったのに……

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