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【BL】彩るはblue【Dom/Sub・R18】

第3章 再会。


3)

──9月。

県外の大学に通い高校の数字教師になった俺は、そのまそこで就職していた学校を辞めて地元に戻ってきていた。

しばらくゆっくりするつもりだったが、母校が数学の臨時教員を探していると聞いた母親が『家でダラダラする時間があるなら少しでも人様の役に立て』と、半ば強引に臨時教員の話を受けることになってしまった。

ったく、少しは戻ってきた息子を労れっての。
まあ…臨時なら、って安易に受けた俺も俺だけど…

今日はその臨時教員としての初日。

クラス担任に続いて入った教室は見知らぬ人物(俺)にざわつき出す。

そんな中、窓際の席で気怠そうに頬杖をついて外を眺め、こっちなんかに全く興味ない態度の男子生徒が一人。

無関心っていうか、無気力っていうか…そんなヤツはどこのクラスにも居るよな…
こういうヤツにはあんまり関わらないようにしておこう。
俺は臨時教員の期間を無難に過ごしたいんだ。


「おはようございます。ケガをして入院された○△先生の変わりに2学期から数学を担当します、吉野 朔(よしのさく)です。少しの間ですがよろしくお願……」

「……っ、朔ちゃ…ん?」


は?誰だ、俺のことをちゃん呼ばわりするやつは…

声のした方を見やると、そこにはさっきの無関心な男子生徒が俺を見て驚いた表情(かお)を浮かべている。


「……?」


お、意外とイケメン……って、誰だろう。
どこかで会った…かな?


「蒼斗だよ、あお!」


きょとんとしていた俺にそいつはそう名乗った。

蒼斗…あおと……あお……


俺は自分の中の記憶を必死にたどる。

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