• テキストサイズ

【BL】彩るはblue【Dom/Sub・R18】

第7章 もやもやするこの気持ち。


28)

「朔ちゃん、絶対見に来てよ?俺、朔ちゃんのために歌うから」

「重っ。まあ時間が合えばちゃんと見に行くよ……って、歌うっておまえボーカル!??」

「あおくんはうちのバンドのカリスマギターボーカルなんですよ」


臨時教員として母校で久しぶりに会ったあおは、学校なんて…って感じでつまんなそうに見えたのに、まさかあおがそんなエンターテイナーだとは思ってもみなかった。


「そうなんだ。ますます楽しみだな」

「朔ちゃん俺に惚れ直すよ、絶対」

「ばっ、まだ惚れてないわ」

「まだってことは、この先可能性アリってことだよね」

「う、うるさいっ」

「ふふ、やっぱり二人は仲良しですね」


遠野真白に完全に勘違いされている気がする。

ジロリと見やったあおはニヤリと口角を上げる。

くっそ~っ、なんか腹立つなあ。


「あおくん、そうと決まればライブまでそんなに日にちがないから練習練習。早く感覚取り戻してもらわなきゃね。吉野先生、あおくんお借りします」


それを聞いて今度は俺がニヤリとする。


「おう遠野くん、あおにみっちり練習させてやってくれ」

「えっ、ちょっと待っ、ましろっ、さ、朔ちゃあんっ」


遠野真白に手を引かれて連行されるあおが俺に向けて手を伸ばす。

俺はそんなあおに笑顔でひらひらと手を振ってやった。

せっかくライブをやるなら後悔しないように、自分が納得できるステージにして欲しい。

それに…ライブをやってるあおはカッコいいだろう。


「ふふ、楽しみだな」


こんなに胸が踊る気持ちは久しぶりな感覚だった。


/ 39ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp