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【BL】彩るはblue【Dom/Sub・R18】

第6章 ピンチは続くよどこまでも?


20)

「その表情(かお)、やっぱりそそられますね…高山蒼斗もそうやって誘惑したんですか」

「ちが…っ」


あおは俺から誘ったこともないし、Glareを使って無理矢理に俺を従わせようとしたこともない。

あおは…昔からずっと俺のことを、ただまっすぐに好きでいてくれただけなんだ…


「っ、黒崎先生っ、お互いの信頼関係のないPlayでは何も解決しないんです、だから…っ」

「それでもその場しのぎにはなる。僕は諦めが悪い男なんでね…吉野先生、次はどんなCommandが喜んでくれるかな」


ニヤリと口角を上げる黒崎先生の瞳から強めのGlareが放たれる。
このままこのGlareを浴び続ければ、俺はSub drop(サブドロップ)を起こしてしまうかも知れない…


「…あお……っ」


俺は無意識にあおの名前を口にしていた。

その時、保健室の扉をドンドンと叩く音が響く。


「朔ちゃんっ、ここに居るっ!?」


その声は、今聞きたくて仕方なかった声。


「朔ちゃん?朔ちゃんっ!?」


俺の名前を呼ぶその声に、強張る身体の緊張が少しずつ緩んでいく。


「残念。お迎えが来たようですね」


軽く舌打ちをしてそう言うと、黒崎先生は扉を開けた。


「高山君、なにか?」

「朔ちゃん、いや、吉野先生は…」


覗き込んだあおと黒崎先生越しに視線がぶつかる。


「朔ちゃんっ!」


すぐにあおが俺の側に駆け寄った。


「吉野先生は体調が悪そうで、今、少しふらついてしまって…」


あおがキッと黒崎先生に鋭い目線を向ける。


「朔ちゃんは俺が送って行くんで!朔ちゃん、立てる?」


そう言って俺を抱え起こすあおの腕にしっかりとしがみついた。


「ふふ…吉野先生、お大事に」


保健室を後にする俺の背中に黒崎先生の声が聞こえた。

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