第17章 禪院直哉 お友だちなろ?
「えっ?いませんけど」
反射的に答えてしまった。
わたしは呪術師という道を選んだ時から恋愛しないと決めていたから。
「そうやろなぁ。処女臭いもん」
「…!?」
直哉にじっと見つめられ顔がカーっと熱くなる。
それに処女臭いとニオイまで嗅がれ、恥ずかしすぎて目も合わせられない。
「くっくっく。素直でええなぁ。
なまえちゃん、靴脱いで足シートに乗せてくれへん?」
今度は楽しそうに笑われる。
良くも悪くも振り回されている気がするが、
この人なりに緊張をほぐそうとしているのかと思った。
なぜなら、真依や歌姫先生たちが「上はへんなのが大勢いる」って言っていたから郷に入れば郷に従えばいい。
「あの…これでいいですか…?」
「もうちょいこっち」
言われるがまま距離を縮める。
これ以上進むとつま先が当たってしまうと思いながら…
「きゃあ…!」
「なまえちゃん素直すぎ。頭打ってない?」
優しげな声で心配してくるが直哉の両手はおっぱいを触っている。
車は真っすぐ高速道路を走り続けて、わたしは押し倒してきた張本人を見上げた。
「…あの…これは…」