第15章 伏黒甚爾 縛られて
「あっ…!や…ぁ…っ…」
男は抱き締めるように体重を乗せてきた。
筋肉質の躯体…、腕まわりも太い。
ひとつひとつ男の特徴を記憶するように撫でられ、
腕を触っていた指は口元までやってくる。
「はうぅ…」
丁寧な愛撫にわたしの体は蕩けている。
「エロい舌遣いだな。
もっといいもの咥えさせてやるよ」
男のものが知りたい。
口に突っ込まれたいと舌を動かす。
察する男もいくらか声が弾み、楽しんでいるようだ。
「んぶっ」
「ああ、いいよ…奥さん。
アンタ上手いな」
男は嗚咽をしないギリギリのところまで突く。
喉奥を少し突いては離して、
口の中の性感帯を探られている。
「ん…ぷっ、んう…ぶ、う」
こんな美味しいペニスを食べたのはいつ振りだろう。
初めて本当のセックスを教えてくれた先輩?
悪酔いして吐くまで喉奥を使われたペニス?
適当な人生を歩んできたせいで美しい思い出がない。
「出すぞ…」
低く唸った男が頭を持って出してくる。