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【呪術廻戦】じゅじゅ♡らぶR18短編集

第9章 夏油傑 記憶喪失


「君にとって、私はどんな人間だった?」

「うーんとね、強くて格好良くて…優しい人!」

「そうか。君にそう思われているのなら光栄だな」

とても抽象的な肖像だけど、
傑が大切にしている気風だと感じている。

「ここが私の部屋かい?」

「そうだよ。わたしの部屋はお隣りさんで、硝子はタバコ吸うからずっと向こうの部屋、悟はあれでも名家の当主だからもっと向こうのお屋敷暮らし」

「部屋割りは自分たちで決めたの?」

「いや、学校側が勝手に…」

空き部屋はたくさんあるのだが特に不満もなかった。

入学当初はだらしない姿を見せたくなくて、
毎日寝癖をなおしてから洗面所に向かっていたけれど。

「あ、そうだ!窓から見るお庭も素敵なんだよっ!
あんまり手のかからない花をふたりで咲かせようって…
…傑?」

傑が急に黙ってしまった。
なにか思い出したのかと心臓がバクバクする。

「私達は…なにもない同級生だったのかな…」

苦しげな面持ちで胸を押さえる傑。

「君の声が聞こえるたびに
私の心臓はひどく締め付けられる。
あの男が本命というのなら…教えてくれないか?」
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