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【呪術廻戦】じゅじゅ♡らぶR18短編集

第9章 夏油傑 記憶喪失


体中の血液が傑の記憶を呼び覚まそうとしている。

わたしが一歩踏み出すと傑は一歩後ずさる。
その感情に名前を付けなければ何も分かち合えない。

「すぐ否定できなくてごめんなさい。
傑を余計に混乱させると思ったら言い出せなくて…」

「それじゃあ…」

「うん。わたしは傑の彼女だよ」

一気に距離が縮まった。
傑の腕の中にぎゅうっと閉じ込められている。

「…思い出したの…?」

「いや…すまない。まだ思い出すことはできないが
君を…、なまえを抱き締めたくてたまらないんだ」

堰を切ったように涙があふれ出る。

どちらともなく唇が触れ、
初めて口付けを交わした黄昏時を思い出す。

「君をもっと感じたい…。
なまえ、抱かせてくれないか?」

「…!」

熱を帯びた眼差しで求めてくる。
まだわたしたちは一線を越えていない。
だけど、傑と同じ気持ちだったから。

「綺麗だよ…なまえ」

ベッドに押し倒されながら興奮が高まる情熱的なキス。

生まれたままの姿で抱き合い、
刺激が強すぎて目元が潤んでしまう。
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