第57章 五/夏/七/甚/直 妊娠しないと出れない電車-漆-
「なんや?」
「なんでもするので、一つお願いを聞いてくれませんか?」
このままじゃ先輩達が空腹で死んでしまう。
わたしも無事にご飯にありつけるか微妙だし、尿意も催してきた。
「お願いって何?」
「先輩達に見えないところで…して、ほしいです」
これさえ叶えば先輩達を傷付けることはない。
もしかしたら直哉くんとのセックスで妊娠できるかもしれないし、ここから出られるかもしれない。
だからなんでもすると言った。
「本当に何でもしてくれるん?」
「…はい…。わたしに…できることなら…」
体に乱暴されるのは致し方ない。
でもここを乗り切らないと前には進めない気がする。
「ふぅん。なんや企んでるみたいやね。何でもしてくれるんならええよ」
「本当ですか…!?」
「えらい食いつきやな。ほな準備するから待ってて」
直哉くんはご機嫌がよさそうにニコリと笑い、調理スペースの冷蔵庫を開けた。
取り出したのは一両目にあった媚薬の入ったケース。
媚薬の小瓶を開けるとそれをビールジョッキへと注ぎ、何本も…何本も…溢れそうになるまで媚薬を入れて、笑顔でジョッキを持ってくる。