第57章 五/夏/七/甚/直 妊娠しないと出れない電車-漆-
「向こうに君を守るナイトが三人。二人は特級術師、もう一人は面白みのない雑魚。君が一人になるのずぅーっとうかがって…優しくしてやろ思ったのに僕を煽りおるし」
「…っんぐ」
「悪いのは全部君やで。自覚してんやろ?」
妊娠したいがために複数の男性と関係を持ってしまった。
それどころか気持ちまでも惑わせている。
「僕も仲間に入れて?なまえちゃんに中出ししたい」
そう言った直哉くんは両手で首を締め上げ、顔を引き寄せる。
このままキスを受け入れれば早く終わるだろうか。
だが一向に直哉くんは口付けしてくれない。
「ククッ、何でも男からされると思うたら大間違いやで。君、可愛い顔とエロい体しか才能ないんやろ?どっちが上か下か、わかってないようやから僕がみっちり教えたる」
「っ…、…」
息が…苦しい。
ただセックスしたいだけなら犯せばいい。
それなのに直哉くんは痛めつける真似をしてくる。
向こうで先輩達に見られて気が引けるけど、今はそんなこと言ってられない。
「…んっ…」
鼻先が触れる距離を縮める。
夏油先輩や五条先輩、そして伏黒さんとしたキスを思い出して直哉くんの唇に自分の唇を重ね合わせる。
「…足りん。もっとエロいのしてるやろ」