第56章 五/夏/七/甚/直 妊娠しないと出れない電車-陸-
「えっ…、あ、はい…?」
「なら話は早ぇな」
聞き返したつもりだったが五条先輩が肯定してしまう。
先輩達は向き合い、そして構える。
「ジャンケン一発勝負!勝者がなまえとセックスできる!」
「制限時間は十分でどうだい?」
「いいぜ。イケなかったら交代な」
「彼女をイかせられなかった時も同様だ」
何やら先輩達は真剣勝負をはじめてしまう。
文句なしジャンケンの駆け引きの末、勝利したのは五条先輩。
勝ったと言わんばかりに五条先輩はぎゅうっと体に密着してくる。
「いちゃつくな…」
「勝者の特権だろ。なまえ、俺はいつでも準備万端だけどもう少しこうやってイチャイチャしてよーな♡」
「えっ…あ、えっと…」
扉を開けるためにはセックスしなければならない。
先輩達は合理的にジャンケンで決めただけだ。
夏油先輩の前でいちゃつくのは胸が苦しい。
だからと言って密着をいやがったら五条先輩の気持ちを無下にする気がして拒めない。
何か穏便に済ませる方法はないだろうか。
「げ…、ゲームしませんか…?」