第56章 五/夏/七/甚/直 妊娠しないと出れない電車-陸-
「先輩達のこと…悲しませたくないので、すぐ…なのか、わかっりませんけど…」
これで最後のセックスにしたくない。
妊娠したいって思う反面、この快楽を手放したくないと自分から求めるように腰を揺らす。
「はぁ、ああっ♡…きもっちいぃぃ…」
「俺もだよ」
この感情はセックスの高揚感からくるものなのか。
はたまた伏黒さんを一番に想っているからくるものなのか。
キスをしながら中出しされ、約束通り三回目でセックスを終える。
ドロッと出てくる伏黒さんが射精した精液。
媚薬は抜けたのに流れ出てくる感覚がしてアソコがヒクヒク痙攣してしまう。
「なまえ。今までで一番気持ちよかった…」
伏黒さんが後ろから抱きしめてくる。
お片づけをして、わたしは着替え終わったのだが伏黒さんはまだ物足りなさを反映するように下着だけ履いた姿。
「お前以外の体でもうイけねぇかも」
耳元に吐息がかかる。
やけに低い声。
引き留められているようにも聞こえる声に惑わぬよう理性を保つのに集中する。
「っ…あの、こんなこと言ったらとても失礼なんですけど。まだ、自分の気持ちが正直わからなくて…」
体の関係を持って余計にわからなくなってしまった。
そうしなきゃならない事態に巻き込まれたとはいえ短期間に三人の男性から告白されてしまい、快楽なのか愛情なのか見境がつかなくなっていく。