第55章 五/夏/七/甚/直 妊娠しないと出れない電車-伍-
伏黒さんはそこから顔を離してくれない。
敏感になったところを舌で掻き回して、欲しくてたまらない体になっていく。
「そこ、…食べっても、ふぅ…お腹…膨れないっ…です、よっ…♡」
「んー?そういう意味じゃねぇんだけど…。まあウブだからハッキリ言ってやらねぇと分かんねぇか」
「…?」
顔を離した伏黒さんは口元を拭う。
色っぽい動作に見惚れているとわたしの目を真剣に見つめる。
「遊び相手じゃなくお前を本気にさせたい」
「!?」
それってつまりわたしの解釈が間違えってこと?
快楽を満たすことが目的じゃなく、夏油先輩や五条先輩と同じ気持ちで…
「そんな…っ、昨日今日会ったばかりなのに…!」
「時間なんて関係ねぇよ。こんなオッサンに本気になられたら困るか?」
「オッサンだなんてそんな…」
一回り離れているくらいでオッサンだとは思えない。
気だるそうな振る舞いも色気にあふれ、何事も動じなさそうな卓越した精神力と肉体が垣間見える強さ。
「お嬢ちゃんにそう言われると嬉しいね。でも傍から見たら俺が襲ってるようにしか見えないから、服全部脱いじまうか」