第55章 五/夏/七/甚/直 妊娠しないと出れない電車-伍-
それならわたしの取るべき行動は…
「媚薬は腹のたしにはならねぇぞ?」
わたしは答えをいう前に行動で示した。
「っ、見せ、られ…ないから…」
「そういうことね」
媚薬を飲み終わると伏黒さんはすぐ唇を塞いできた。
ぬるっと舌が入ってきて口の中を掻き回し、次第に媚薬が体中を巡って声が我慢できなくなる。
「ふぁっん…っ、ふ、あぁ…♡」
「生で聞く声はいいね。すげー腰にくる」
横に座った伏黒さんは体には極力触れず、頬を包んでキスだけしてくる。
遊び相手ならもっと性急な扱いをされると思ったのに、長いことキスをしていたら頭がおかしくなりそうだ。
「あ…っんふぅ、…っぐろ…さん…」
唇の隙間から彼を呼ぶ。
「ん?…なぁに?」
「…体…っ…熱い、です…」
甘いキスに甘い声。
けれど、伏黒さんの目的は快楽を満たすこと。
本気にしていい好きだと告白してくれた先輩達とは違うからこれ以上優しくされたくない。
「熱いの?…ここ?」
「っや、あっん!うん♡…そこっ…」