第52章 五/夏/七/甚/直 妊娠しないと出れない電車-弐-
「じゃあ私も焼き鳥で」
「では四種のチーズピザを一つ」
秒で出てくる焼き鳥とチーズピザ。
出来立てほやほやのチーズの香ばしい匂いがさらに食欲をそそる。
「あ…!七海くんのピザ美味しそう!」
「シェアしますか?」
「うんっ!」
七海くんは開いたお皿にピザを乗っけてくれる。
「おい無視か!」
意識的に無視していた直哉くんがキレた。
今はとにかく胃袋におさめたい。
食べていないと熱に意識を持っていかれそうで口を押えてモグモグ動かす。
「ごめんなさい…。見つけてくださってありがとうございます」
「感謝する必要ねーよ。コイツ何もしてねぇし」
「はあ!?僕が一番に見つけたやろ!甚爾くん近くで見てたやん!」
「へーへー。そうでしたね」
「そら、甚爾くんの方が手柄は上やで。料理頼んだんも先に食べたんも甚爾くんやし…」
話半分で食べていると伏黒さんに顔を覗き込まれる。