第51章 五/夏/七/甚/直 妊娠しないと出れない電車-壱-
「もうやることは決まってる。こんなところで餓死なんてありえねぇし、なんなら俺が相手してやる」
「悟。それはいくらなんでも強引だ」
「あ?お前ら保守的なやつに聞く意味あんのかよ」
「その手は避けるべきだとは言ったが、やらないとは言ってない」
「じゃあ傑もやるんだな。七海はどうなんだよ」
何やら勝手に話が進められている。
わたしが寝ている間にひと悶着あったようで、それで皆で力を合わせて扉を開けようと。
「…望むのであれば」
えっ!?七海くんまで!?
緊張感のないお腹の音を必死に抑えるばかりで理解が追い付かない。
皆悪いものを食べたんじゃないんだろうか。
わたしに内緒で。わたしが一番最後に起きたから…
いや、そんなことしないか。
「じゃあやるってことだな。いっぺんに相手はキツイだろうしお前が好きな奴選べよ」
「えっ…」
「え、じゃねーよ。マワされてぇの?…ッ」
夏油先輩が五条先輩の胸ぐらを掴む。
「そんなことは絶対させないから安心して。君もみょうじを想うなら態度に気を付けろ」