第47章 五条悟&夏油傑 親友の彼女-拾-
だからこうして休日という時間を過ごせている。
なまえは俺んとこに嫁入りしても勧誘活動しやすくするため根回ししたし、その方がいくらか気が休まる。
それになまえは簡単にやられる玉じゃない。
傑が必ず同伴しているから全く心配していないってのもあるが。
「ってゆうか傑、なまえに言われるだけあって誑しポイント高いよな。僕の場合、脅さないということ聞かないし」
「ビビらせる必要なんてないよ。普通に話せば相手の要求とか見えてくる」
「フツーにねぇ…。どうやって誑すの?」
「まず煽り文句やめな」
「そんなつもりないんだけど」
そう言ったら傑の壮大な溜息が聞こえた。
これでもなまえと結婚してからかなりマシになった。
一人称「僕」にしたし、言葉遣いも丸くなったって周りに褒められた。
それなのにまだ改善する必要があるだと?
「弱いやつらに気を遣うのは疲れるよ。ホント」
「ノリが軽いのは構わないよ。君の場合、逆に道化の振る舞いがないとただの兵器だ」
「あ?誰が人でなしだって?」
「そこまで言ってないよ」
「言ってるでしょ!人類最強の兵器とか心ねぇじゃん!」
「喜んでるのは気のせい?」
大人になったら傑との衝突も減った。
不思議と寂しさはなく、昼寝から目覚めた子ども達とまた遊んで暗くならないうちに帰宅する。