第47章 五条悟&夏油傑 親友の彼女-拾-
「いいよ何でも。正解は死後の世界でも教えない」
「じゃあ呪霊玉はうんこの味で決定…!イエーイ!」
「勝手にしな」
一番のストレスなのになまえにさえ言おうとしない。
言わないでくれと傑に頼まれたから黙ってるのかもしれないけど、親友の俺にさえ教えてくれないのはちょっぴり傷付く。
「僕のこと信じてない?」
「信じてるよ。ただ何でも話すのとは訳が違う」
「皆に言い触らさないって約束する」
「約束されても言いたくない」
「どうしても?」
「どうしても」
「僕しつこい?」
「いや。気にしてくれてありがと」
ニコッと笑われてイラっとする。
なまえのことになったら取り乱すことが多いけど、基本的に傑は隠すのが一枚も二枚も上手だ。
…いや、普段はグラサン越しに見てるせいなのかもだけど。
「マジそのクセやめろ」
「二人の前では素直でいるつもりだよ。フリーの術師になると決めたのだってすごく勇気を振り絞ったんだ」
「傑の方が教師に向いてるって誰もが口を揃えて言ってたもんな。知ってるよ」
「いまだに言われるけどね。これが術師として私の最大限のわがままさ」
高専所属の術師になれば人手不足で常に任務が付き纏う。
けれど今はなまえの勧誘活動の成果もあり、俺が鍛えなおしたのもあって傑に誑し込まれたやつは術師としての任務を全うしている。