第5章 夏油傑 所有物の証
「なまえ!」
息を切らした傑が勢いよく扉を開ける。
わたしの顔を見るなりホッと安心したようにベッドに腰を下ろす。
「ごめんね。心配かけたみたいで」
「謝るくらいなら無茶しないでくれ」
「でもあれは非術師が言うこと聞いてくれなくて…」
言い訳しようとしたら無言で睨まれる。
ごめん…、と小さく謝ると
傑は長い息を吐いた。
「なまえ。呪術師をやめろとまでは言わない。
ただ私を想うなら弱いままの君でいてくれ」
「え…?」
「なまえが命を落としたら
非術師だろうが生かしてはおけない」
らしくない言葉に耳を疑った。
あれだけ弱者生存の理念を掲げていたのに
力の弱いわたしには、それを守るなと言ってくる。
「なんで…」
「単純だよ。君を愛している。ただそれだけだ」
包帯を巻かれた肩を撫でられる。
次第にその手は病衣のなかに入ってきて、先端を摘まむ。
「っう」
「わからずやには体で教え込むよ。
嫌とは言わせない」
「あっ、痛…ううぅ…」
「なまえが痛い思いをすれば私も痛い。
いやらしく乳首を固くして…、
私に弄られて興奮しているんだろう?」
強引にされても反応してしまう体。
傷口が開いてしまう。
それなのに、突いてくる傑の指が気持ちよくて…