第41章 夏油傑&五条悟 親友の彼女-肆-
なまえとの距離が縮まって
悟のようにだらしなく顔が緩んでしまったのだろうか。
自然になまえを視界に入れるとニコッと微笑まれる。
(っ、ダメだ。顔に出ない方がおかしい…!!)
昨晩、イチャイチャし過ぎた後遺症だ。
抑えきれずに悶絶して顔を隠していると、特級呪霊が発生し、悟とすぐ合流するように連絡が入った。
「なまえ、すまない。すぐ戻ってくるから」
「うん。気を付けてね!」
久々に悟と顔を合わせればギラギラとしており、
あいもかわらず不敵に笑う。
「よお。元気にしてたか?」
「おかげさまで。特級とザコの吹き溜まりって話だ」
「特級は俺がやる。数は任せたよ」
「あまり壊しすぎるなよ」
災害に見舞われた思い出の強い土地に帳を降ろせばウジのように呪霊がわいた。
降伏なしに取り込める等級もいたが、手数を増やしたいと祓った呪霊を無心で取り込む。
「…待ってたのか。先に帰ってもいいのに」
「俺の補助監督どっか行きやがった」
「何か余計なこと言ったんだろ…」
人間トラブルだけは避けてほしいのだがこればかりはどうしようもない。
お互い別々の車窓を見ていると悟がトントンと足先を動かしており、なまえのことが気になっているみたいだ。