第41章 夏油傑&五条悟 親友の彼女-肆-
携帯を広げて、なまえの寝顔をカメラにおさめる。
(世界一可愛いよ…)
なまえが心の拠り所になってくれたその日、このまま寝るのかと明かりを消した部屋で悶々とした。
誰かに甘えたことがないから距離感がイマイチ掴めない。
ただひとつ言えることは
彼女は本当にいい意味で周りを気にしない。
親友の彼女だろうが、同じベッドに寝ようが、体におっぱいが触れようがお構いなし。
格好良いと褒めてくれるが恋愛対象として見てくれていないのではとずっと思っていたし、バキバキになったアレをおさえるため初めて自分で写真を撮った。
なまえの寝顔の写真は本人が横に眠っていても御守りのように毎日拝んでいる。
写真にはいい思い出がないがなまえは特別。
(想いは伝えあったけど悟がな…)
なまえに好きだと言われた以上、なかったことにしたくない。
けれど友情崩壊など望んじゃいない。
私がこの想いを押し止めれば、本当に幸せになるべきお似合いの二人が祝福される。
きっとそれが一番幸せな道だ。
「寮母さんの手料理は世界一だね。ん~、おいしっ」
「ふふっ。なまえは本当幸せそうに食べるね」
高専はほとんどの連中が出払っており、硝子も誘って朝ごはんを食べているとヘンな目で睨みつけられる。
「私の顔に何かついてるかい?」
「クズさがパワーアップしてんね」
「…」