第39章 夏油傑 親友の彼女-弐-
呪いの連鎖を断ち切らない限り女性に本気にならないと思っていた。
けれど、好きだと認めてはじめて自分の幸せを望んでしまった。
親友の彼女になっても
後悔しながらどんどん惹かれていく。
誰にも理解されない恋愛だけど
実る恋じゃなくても想うだけで幸せになれた。
「あの時はごめんよ。本当にどうしようもないくらい無駄なプライドが邪魔をした」
本当は誰かに聞いてほしかった。
壊れてしまいそうな自分をそばで支えてほしかった。
けれど人に弱みを見せるのが苦手で平然と振る舞うのが得意だった。そうするしか安定した気持ちを保てなかったからだ。
なまえはそんな大丈夫じゃない私に気付き、寄り添ってくれた。
恋人のようにべったりと甘えられないけど、なまえはそれに近いものを与えてくれる。
ベッドに横になって、同じ目線の高さから見つめ合うと頬がゆるんでしまうほどに。
「抱きしめてもいいかい?エッチとは関係なく」
「いいよ。でもエッチしないの?」
ギュっと腕の中に閉じ込めてから言われ、股間以外に意識を集中させる。
「エッチしてくれないの?」
もう一度、今度はねだったように聞いてくる。
私の気も知らないで。
「私と…したい?」
「うん。したいよ。最後までできるようになって
悟を喜ばせたいの」
なまえに求められると期待してしまう。
目的があるから私とのセックスを望んでいるのに都合よく勘違いしそうになる。
処女を捨てる相手が恋人の悟ではなく、親友である私でもいいと言われ、少し意地悪したくなった。
「もしかして…今日の任務頑張ったのもエッチのため?」