第37章 五条悟 親友の彼女-零-
「なまえと最後までできるようにしてほしい」
「……は?」
当然の反応だ。
俺だってイカれた発想だと思ってる。
「お前らは任務で常に一緒。非童貞で大きなイチモツを持ち、信用できるお前だから頼みたい」
「…悟。術式を回し続けて、ついに頭がおかしくなったか…?」
「ひどく正常だよ。
アイツに触るたびもう謝られたくねぇんだ…」
近くにいたら当然触りたくなる。
キス以上のことをしなくても満足していたのに今じゃその先までしたくて、頭では分かってんのに触り過ぎてしまう。
触り過ぎて、最後までできなくて、心まで傷付けてしまう無限ループ。
「私達術師は恋人や家族と過ごす時間が限られているだろうが、なにを焦る必要がある。この話をなまえは納得しているのか?」
「起きたら話すとこ」
「はあ…。それなら性感マッサージしてみなよ。
その方法なら私が触らなくても…」
「それをなまえに試せよ。お前がダメなら諦める」
諦めるとはいっても一生じゃない。
なまえと結婚して、子どもをつくりたい目的があるから。
「頼めるか?」
「…」
傑は黙り込んだ。
少なくとも傑はなまえに対して友達以上の感情がある。
理想のために無理して、一人で勝手に背負い込んで、誰も頼ろうとしなかった。
なまえが行動に移して、そばにいてくれたから今のコイツがあるんじゃないかって正直思う。