第37章 五条悟 親友の彼女-零-
「悟。こんなこと言いたくないんだが
君自身が上達する気は…」
「はっ。そんなことしたらなまえが余計に傷付く。
つーか俺が下手くそだってディスってる?」
「いや、そういうつもりはないんだが…」
俺はなんでもできるから下手くそなわけじゃない。
できない理由は俺となまえの間にある。
いくら好き合っていても失敗したことを無意識に思い出させてるんじゃないかって。
「私がなにを言っても引き下がる気はないのか?」
「ああ。マジで頼んでる」
知ってしまった以上、傑を一人にさせるわけにはいかない。
でもこれ以上、セックスするたびに自分を責めるなまえを見たくない。
かといって触れずに過ごすのは論外だ。
今日だって任務詰め込みまくって疲労して帰ってきたはずなのになまえの顔見た瞬間、メーター振り切って発情した。
それこそ我慢してたらまたやらかしそうな気がする。
時間が腐るほどあるなら俺一人でできそうだが現実的に無理。
だから俺は大真面目に傑の目を見つめる。
「…私が介入したところでできる保証はないよ。
なまえが納得するとは到底思えないけどね」
「キスはすんなよ?」
「ああ、わかった。約束するよ」
こうして俺は、親友と彼女が最後までセックスするのを承諾した。
キスして欲しくないと思ったのは何となくだ。
なまえが何となく俺の告白をOKしてくれたみたいに…ただ何となく、だ。
<終>