第34章 七海健人 夫婦交換しよ?-弐-
「先輩が…ゲームばかりで何も起きないって…」
「何かが起きるように仕向けたんです。
陽くんがあなたを抱けない理由があるように
妻なら抱ける理由があるように…」
「それって…わたしに魅力がないとか…そういう…」
「あなたは十分魅力的だ。
陽くんがそれに気付けていないだけです」
「だけど…っ…じゃあどうして…」
「理由は同性である私にも分かりません。
…あの光景は夫婦交換であり、夫婦生活をより充実させるための演出だったと考えるのが妥当かと」
わたしと健人さんにはちゃんとした目的があって夫婦交換に望んでいる。
けれども陽と静先輩の目的がわからない。
暴走させた理由がわからない。
「っ、すみません…。わたし自分だけのことしか考えていなくて…。辛いのは健人さんも同じなのに…」
「私も自分よがりな人間です。
自分さえよければとなまえさんとのセックスに夢中になってしまった…」
一つだけわかるのは健人さんの気持ちだ。
私と同じで夫婦を愛している。
「夫婦交換って…どちらか一方がやっても
意味がないのかもしれませんね…」
「なまえさん…。昨日の続きをさせてくれませんか?
今の私にはなまえさんしかいない…」