第4章 夏油傑 朱色に染まるバスルーム
「何をしているの…?」
「こうでもしないと
なまえは私を男だと認識しないみたいだから」
「いやいや!もう十分ですから!」
わたしの断りなど聞かず、
腰を下ろした傑は肩からお湯を流す。
雄雄しい肩回りの筋肉。
制服姿でも知っていたけど見惚れてしまう。
すると、クスッと笑い声が聞こえた。
「追い出さないんだ」
「っ…!」
「悟だったらすぐ手を出しそうなのにね」
ウザ絡みをしてくる悟には容赦がない。
傑は、いつも悟と比べたがる。
最初はお互い意識してるだけかと思ったけれど…
「だって…傑に触ったら変になるんだもん」
「変?」
「うん…」
悟と違って、傑は気安く触れてこない。
だから気になって観察してしまう。
他のみんなにもそうなのかなって。
「なまえ」
「なあに?」
「好きだと言ったら迷惑かい?」
傑の告白に胸が高鳴る。
ふるふると首を振ると伸びてきた両手に頬を包まれる。