第29章 伏黒甚爾 寝取られ妻-参-
「ああんっ…!」
夫に捨てられたらただの薄汚れた女に逆戻り。
愛だけでは生きられない。
誰かのものだから甚爾の目に魅力的に映っているだけ。
わたしのような人間が美しくなるにはお金が必要だから…
「なまえ…っ…」
「名前…呼ばないでよぉっ…あぅんっ…ああっ」
甚爾だけに愛されたい。
こんな愛し方じゃなく本当の愛を知りたい。
どんなに同じ快楽を共有しても
過去を捨てられないわたしはお金に執着する。
夢中になって体を貪っているとエレベーターの音がした。
「…なまえ…。こんなところで何をしている…?」
「アナタ…。あはっ…おかえりなさい」
顔だけ向けるとスーツを着こなした夫が唖然としている。
甚爾と裸で抱き合い、興奮した動きを止められない。
「ごめんなさいアナタ…これ、気持ちよすぎて
ああん…腰が全然止まってくれないのっ…」
「それは見ればわかる。誰かに見られたりは…」
「アナタだけよ…たぶん。ちゃんと録画もしたのよ…っ
あーイク、もっと激しくして…?」
「奥さん、わかりましたよ…」
「んああっ」
ズクンっと下から思いきり突き上げる。
夫には簡単だけど報告はしたし、
今はセックスの邪魔をされたくなくて甚爾の首に抱きつく。