第4章 愛情いっぱい塩むすび
そういえばふと思う。私の時代の調味料を活かした料理も美味しいけど折角、江戸にいるなら江戸にある食材や調味料で美味しく作ることはできないだろうか?と考えた。自然由来のものや食材そのものをきちんと活かすって大事だなと思う。
吾郎さんや綾さんと暮らしていた時にふと思った。炊き立てのご飯とお味噌汁と漬物だけであんなに美味しかった。
私のいた時代はインスタント食品だって冷凍食品もある。それはそれでありがたいけどこの時代だからそこ、いかに食材を無駄にしないかとかどんな風に保存するかが大事なんだと思った。この時代は冷蔵庫はないため野菜は切って天日干しにしなければならない。でも天日干しにする分、野菜が縮んで旨みも凝縮する。味噌汁に入れれば元の大きさに戻ったりもするし、買ってきた野菜を切ってそのまま茹でれば立派な温野菜にもなる。ただ、温野菜にする場合はその日のうちに使わないといけない。
ましてや夏の時期なんて私の時代でも食中毒に気をつけて冷蔵庫に入れたり保存容器に入れたりしてるのに江戸の人は暑い夏の食材管理はどうしてるのだろう?そんなことを考えていたけど、それを知るなら現地の人に聞けだよね。
そこでお手伝いの女子達に聞いたり、仕事が休みの時に吾郎さん達の所に行って聞いたりした。現地の人の教えって大事だなと思った。