第4章 愛情いっぱい塩むすび
吾郎さんの家の米農家で作るお米は味わい深く一粒一粒のお米が美味しい。光り輝いていてご飯が何杯でも進みそうな気がする。
初めて吾郎さんの実家を訪れて炊き立てのご飯を食べた味は忘れることができない。それに吾郎さんのお父さん(源平さん)も気さくでいい人だった。
お米の買い手が見つかってよかったと喜んでいた。
話は戻るけど、お手伝いさんも決まって私が丁寧に一からメニューや料理の作り方を教えてあげた。彼女達は熱心に聞いてくれてあれこれ質問された。基本のお米の研ぎ方や炊き方はマスターしていたみたいだけど、私のいた現代の味との組み合わせに驚いていた。
「これはマヨネーズって言うんよ。卵と油を混ぜて作る万能調味料なんだけど、すごく美味しいの。使い方はさまざまで温野菜にかけて食べたり、ソテーって言ってマヨネーズで野菜を焼いたりすることもあるよ。また野菜の上にマヨネーズをかけてこんがり焼いたりしてもいいし使い方は自由自在。ただ、マヨネーズをあまり取りすぎると体重が増えるから程々に何だけどね。」
「なるほどー。先ほど、味見たけど美味しいですね。」
舞子さんが嬉しそうに言った。
「そうでしゃろー。」
お手伝いさんも女子達なので女子会気分でワイワイ話しながら仕込みができるのも楽しい。
また、甘味の作り方も教えてあげて初めてのパンケーキに3人は感動していた。
パンケーキって本当はフォークとナイフで食べるんだけどそんなもの江戸にないのでパンケーキが焼けたら一口大に切ってフルーツソースをかけてあげる。この時代に生クリームなんてものもないし、牛乳なんて貴重だろうから手に入らないと考えてフルーツたっぷりのソースにした。
「パンケーキのフルーツソースは季節ごとに変えるよ。その季節に取れるフルーツを使った方が新鮮で美味しいからね。」
仕込みもお手伝いさんがいてくれるだけで大分ありがたい。またお店の掃除をしてくれたり、買い出しも一緒に行ってくれたりする。
頼もしいなと思った。