第13章 熱々のくらむちゃうだーの季節
ホカロン作りが思いの外、うまくいかなかった。江戸の人はどうやって保温していたのだろう?そう思って女子達に聞くと炭を焚いたり木をくべたりしていたそうだ。暖はそれで取れるけど悩ましい。
そうこうしているうちにお店の開店時間となり、忙しくなった。
「いらっしゃいませ。期間限定のくらむちゃうだーはいかがですか?貝の入ったあったかい白い汁物です」
私の呼びかけに次々とくらむちゃうだーの注文が入る。
この日は江戸で初雪だった。江戸時代の雪景色を味わえるなんて素晴らしい。
火鉢も焚いたりしたけれど、現代の方が床暖房だったり、エアコンだったりとあったかさが違うなと思った。
お店が終わったら私は翌日の仕込みに取り掛かる。幸い冬なので野菜などは日持ちするので先に皮など剥いておこうと思ったのだ。