第2章 削り節おむすび(おかか味)
そういえばお店の中はどんな風にしよう。私は考えた。建築屋さんにも内装をどうするかと聞かれたからだ。
建築屋さんにも色々江戸の建物事情を聞きながら自分の思い描いたお店になるように細かく伝えた。
カウンターの席は勿論だけど家族連れも行きやすいようにテーブル席も作りたいと言った。襖を大きくして陽の光が入るようにしてもらい、広々とした店内を心掛けた。それに加えて台所で作ってる様子が見られる方がお客さんも安心すると思い対面の台所を提案して作ってもらうことにした。
その間にも私はせっせと歯磨き粉と歯ブラシを作り、徳川家康様も度々、歯ブラシと歯磨き粉を購入してくださった。
今とても仕事が充実していて嬉しい。歯ブラシと歯磨き粉の売り上げも上々で建築屋さんに建築代を支払うことができた。
そして半年の年月を経て建物がようやく出来上がった。そこからは店内の飾り付けとメニューの製作だ。
どんなおむすびを作ろうかなと考えた。まずは私の作ったおむすびを綾さんと吾郎さんに試食してもらうことを提案して二人をお店の中に案内した。
「すげーな。もうお店できたんかー?開店したら二人でお祝いを持っていくよ。」
吾郎さんが目を輝かせて言った。
「すごいわね。よくできた作りね。」
綾さんも感心していた。
「お褒めの言葉をありがとうございます。あの、お二人の意見をお聞きしたいんですけど、江戸の皆さんに親しまれているおむすびの人気はどんな感じですか?番付をしていただきたいんですけど何の具が一番人気で二番や三番人気はどんな味ですか?」
私が聞くと二人は考え込んだ。出来立てのカウンターに座ってもらい意見を聞いた。
「俺は削りガツオのおむすびが人気だと思うべ。お綾はどう思う?」
「私も鰹節のおむすびは人気だと思いますわ。あとはおみおつけを入れたおむすびも人気ですよ。穂乃果さんの時代にはどんなおむすびの具があるのですか?」
綾さんが私に聞いた。
「鰹節のおむすびも人気です。あとはツナマヨとか・・・えっとツナっていうのはマグロを加工したものなんですけどそれに甘いタレみたいなのを混ぜるんです。マヨネーズって原材料が油と卵だから何かで作れないかな?」
私の答えに二人は驚いていた。