第13章 熱々のくらむちゃうだーの季節
それから冬がやってきた。私の提案した現代でいうデリバリーをやろうという話を進めるべく女子達と仕事終わりに話した。
「そうだ!鍋ごと貸せば向こうで温めて食べられますよ。鍋は洗って返せばいいし。」
私の提案に女子達が頷く。
「それいいですね。でもおむすびはどうします?」
舞子ちゃんが私に聞く。
「確かに・・・普通に運んでも冷めちゃうし・・・。」
ここで私は思い出した。ホッカイロの原料ってなんだっけ?と。
ホッカイロはポケットに入れておくとあったかいんだよね。でもホッカイロの原料ってなんだろう?それさえわかれば保温できるかもしれない。そしたらあったかいおむすびが食べられるかも!?
あっそうだ!前に夏休みの自由研究で作ったんだった。確か鉄粉、水、保水剤、活性炭、塩でできてるんだった。
そのことを思い出した私は女子達に提案した。
「あの、私の住んでいたところにホカロンっていうものがありまして服の袖の中とかに入れて温めるものなんですけどそれを使っておむすびを運べないかな?なんて思うんです。」
「ホカロン?はぁー。なんやろそれ?」
女子達が口々に首を傾げる。
「原材料は塩、鉄の粉、活性炭、保水剤なんですけど鉄の粉は刀を作る材料から採取するとして塩はお店で買ってー。あとのものは研究して近づけて作ろうかと思います。よかったら手伝ってくれませんか?」
私の言葉に女子達は半信半疑ながらも頷いてくれた。