第4章 錬金術師の苦悩
家に戻り、シャワーを浴びてベッドに横になる。
眠るのは苦手だ。
だけど人間という生き物は、睡眠をとらなければいけない。
自然と瞼が重くなり睡魔に襲われる。
私はそのままゆっくりと夢の中へ誘われた。
目を覚ましたのはそれから数時間後のこと。
窓から差し込む朝焼けが眩しい。
夢を見ずに起きれたのは何時ぶりだろうか。
ぼんやりとした頭で、今の時刻を確かめようと壁に飾ってある時計に視線を移した時、ジリリと電話が鳴った。
のろのろとベッドから起き上がり、受話器を耳に当てると
「もしもし……」
『よぉーーー!!おはようさん、!!元気にしてたか!?』
電話の相手は、中央司令部に勤めているユーズさんだった。
耳の奥まで突き抜ける程の明るい声がキーンと響く。
「おはようございます、ヒューズさん」
『どうだ調子は!ちゃんと飯食ってるか?今度いつセントラルに遊びにくるんだ?グレイシアもエリシアもお前が遊びに来るの楽しみにしてるんだぞ』
ヒューズさんのマシンガントークは止まることを知らない。
受話器の向こうで笑う声が聞こえた。
こうしてヒューズさんから電話がくるのは珍しいことではない。
一ヶ月の内に何度か電話はかかってくる。
私の安否確認をするために。