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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第13章 あんたたちの代わりに









錬金術でこの場をどうにかすることは難しいことは明白だった。

「ドミニクさん。ここ以外に街へ行く道はないのでしょうか」
「反対側に旧道がある。山ひとつ超えたとなり街につながってる。だが、時間は数倍かかるだろう」
「数倍時間がかかってもかまいません。一刻も早くお医者様を……!!」
「……わかった!!おめえらは家に戻ってサテラを励ましてやっててくれ」
「はい」

静かに頷くと、ドミニクさんは優しく微笑んだ。
ああ、そんな優しい顔もできるんだな。

「……なにが国家錬金術師だ。なにが人間兵器だ……。また肝心な時に……オレは無力だ……!!」

そんなことを考えているとエドワードくんの悔しいそうな声が聞こえた。
拳をぎゅっと強く握り締め、唇を噛みしめている。
ゆっくりと彼に近づきその手を握った。
はっと驚いて顔を上げるエドワードくん。
金色の綺麗な瞳が私を映している。

「あなたは無力ではありません、決して。私たちにできる最善を尽くしましょう」
「あ、ああ……」

医者でもない私たちができることなど限られている。
だけどその限られた中で何ができるのか、何をするべきなのか。
今は自分の無力さを嘆いている時間はない。





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