第4章 錬金術師の苦悩
そこでは、大きな犬に弄ばれているエドワードくんの姿があった。
「さん!おはようございます」
「げっ!」
私の姿を見るなり、アルフォンスくんは挨拶をしエドワードくんは怪訝な表情をした。
大佐が彼の反応を見たら面白がるんだろうな。
「怪我はもう大丈夫なんですか?」
「まだ痛みはしますが、昨日よりはだいぶマシになりました」
「そうですか、よかった」
ほっと胸を撫でおろすアルフォンスくん。
兄弟たちにも心配をかけてしまったことを詫びれば「気にしないでください」と気を遣われてしまった。
年下なのにしっかりした子だ。
「お姉ちゃん、誰?」
「挨拶が遅れました。私は・アールシャナと申します」
小さな女の子はタッカーさんの一人娘、ニーナさんというらしい。
大きな犬はアレキサンダーというらしく二人は親友のようだ。
「お姉ちゃんも一緒に遊ぼうっ!!」
遊びに来たわけではないのだが、無垢な笑顔を見てしまえば絆されてしまう。
アルフォンスくんに肩車をしてもらい楽しそうに笑うニーナさんと、追いかけっこをしているアレキサンダーとエドワードくん。
私もそんな彼等を見守りながら、一緒に追いかけっこをしたりと楽しんだ。