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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第4章 錬金術師の苦悩





翌日には熱は下がり体調は快復した。
撃たれた肩はまだ痛みはするが、時間が経てばそれは消える。

「ご迷惑をおかけしました。ありがとうございます」
「迷惑だなんて思っていないわ。が元気になってくれてよかった」
「今度何かお礼をします」
「なら、一緒に買い物をしましょう」
「え……」
「約束よ」

にこりと笑って楽しそうにするリザさんの姿を見て何も言えなくなった。
仕事の支度をし、私はリザさんと一緒に家を出た。
リザさんは司令部へ、私はタッカーさんの家へと向かう。
大佐にも心配をさせてしまったから、司令部に行くときは何か持って行こう。
そう思ってタッカーさんの家の前まで来たら、何やら庭が騒がしい。
女の子の笑い声と犬の鳴き声とエドワードくんの叫び声が響き渡ってる。
一体に何が起こっているのだろう。

インターホンを鳴らせば、目の下に隈ができているタッカーさんがでてきた。

「はじめまして、東方司令部から来ました・アールシャナと申します」
「ショウ・タッカーです。本日はどのような用件で?」
「エルリック兄弟の護衛を任されておりまして……。二人は今どちらに?」
「ああ、そう言う事でしたか。彼等は今、娘のニーナと一緒に庭の方で休憩がてら遊んでいますよ」
「ありがとうございます。庭の方に行ってもよろしいですか?」
「どうぞ」

タッカーさんに頭を下げ、私は楽しそうな声のする方へと足を運ぶ。


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